函館近海のお魚・旬のカレンダー
(1〜6月)ヤリイカ、チカ、ボタンエビ、ニシン、アマエビ、ソイなど
(6月〜10月)ケガニ、アブラコ、マイカ、ホッケなど
(9月〜11月)サケ(イクラ)、サンマなど
(12月〜3月)ウニ、マダコ、マダラ、カキ、ゴッコ、カジカ、ホタテなど



名称・通称説   明
アブラコ

アイナメのことです。アイナメとウサギアイナメの二種類が北海道の近海で釣れます。アイナメは日本海、津軽海峡、噴火湾、日高海岸、ウサギアイナメはオホーツク、北太平洋、日高東部海岸に生息しています。アイナメは成魚で40センチ前後、ウサギアイナメは60センチにもなります。いずれも沿岸の岩礁地帯に住み、同じアイナメ科のホッケのように外洋を回遊することはありません。産卵期は11月〜2月ごろですが、釣期は4〜7月、9〜11月ごろが最も釣れます。小さくても引きが強く、なかなか楽しいものです。刺身が絶品といわれますが、寄生虫に注意しなければなりません。煮付けも美味です。
アキアジ

新巻鮭でおなじみですね。北海道ではアキサケ、シロサケともいいます。増殖によって資源を年毎に増大させてきました。釣りの人気は凄まじいものがあり、道内では最もポピュラーなルアーフィッシングです。 そのダイナミックな引きは人を病みつきにしてしまいます。塩鮭、ルイベ、ちゃんちゃん焼き、石狩鍋やフライなど、料理の用途が多い魚です。
イカ

道内に分布する代表的なものはスルメイカとヤリイカの2種類です。かつては船釣りによる漁師の世界でしたが、今は岩場や漁港などで釣人を見かけます。ヤリイカは細長くとがっていて、槍に似ています。スルメイカは胴長が30センチほどになり、身が厚いイカです。ヤリイカは春から夏にかけて産卵のために岸寄りし、スルメイカは初冬に沖合で産卵します。どちらのイカも生でいただきます。刺身や細切りにしたイカそーめんがおすすめです。
イバラガニ 「幻のカニ」とも称されるイバラガニは、外見はタラバガニと非常によく似ていますが、茹でるとルビ−のように赤くなります。味が濃く、独特のコクを持っております。深海生息のため水揚げは少なく、今では市場でもあまり見かけなくなってきてしまいました。生の状態から召し上がる場合、焼きガニにする事をオススメします。勿論、茹で上がったものもおいしいですよ。主にオホーツク近辺で水揚げされます。道南では滅多に目にすることのない、本当に貴重なカニです。
ウルメイワシ

体は円筒形で目が大きく、うるんだように見えます。沿岸性回遊魚で定置網などで漁獲されます。干物が美味です。
エゾバフンウニ

通称をガンゼやガゼともいいます。とげは短く、くすんだ緑色をしています。身はきれいなオレンジ色で、一個のウニから5房ほどしか採れません。売られているのは、それらを集めて木の折にのせたものです。市場ではアカ(赤)と呼ばれ、とても高価です。
カスベ

エイの一種です。皮を剥いて、切り身になった状態で売られています。原型をそのまま見ることはまずないでしょう。主に煮付けにされ、骨も軟骨なので食べられます。
カジカ

道内の海域に住むカジカは淡水も含めて約40種類。そのうち、釣りの対象となる磯のカジカは4〜5種類に絞られます。中でも、最も人気があるのがマカジカ、通称ナベコワシです。見た目はグロテスクな魚ですが、ナベコワシの異名をもつほどに、みそ仕立てにしたカジカ汁は絶品。食べ始めたらやめられず、杓子で鍋底に残る汁を最後の最後まで引っかき回し、鍋をも壊す勢いだそうです。他には、トウベツカジカ(ケムシカジカ)、ギスカジカ(イソカジカ)、ツマグロカジカが釣れます。マカジカは30〜40センチ、トウベツカジカは最大で約40センチ、どちらも食べてはおいしい魚です。釣期は産卵期の10〜2月と、産卵後にうろうろしている5月ころまで。
カタクチイワシ

セグロイワシとかヒシイワシ、ブタイワシなどとも呼ばれます。下あごが上あごより短いので片口の名前がつきました。アンチョビーは近種です。沿岸性回遊魚で定置網などで獲られます。煮干しやシラス干しの原料がこれです。
カレイ

「左ヒラメに右カレイ」といわれるように、カレイの頭は右側、ヒラメは左側です。沿岸で釣れる代表的なカレイは、クロガシラ、マガレイ、ソウハチ、スナガレイ、イシガレイ、タカノハ、カワガレイなどです。タカノハというカレイを除けば、ほとんどのカレイは北海道の全海域で釣ることができます。クロガシラとカワガレイはヒレに縞模様がついています。違いを見分けるこつは、頭が右側だとクロガシラ、左側だとカワガレイです。カワガレイはヒラメと一緒でカレイの変わり種といえます。また、マガレイとスナガレイは、裏面尾の付け根に走る黄色い則線が共通しています。見分けるこつは、マガレイの方は淡くて短い形です。産卵期は道南・道央は4〜5月ころ、水温の高い浅場で砂れきなどに産卵します。マガレイは煮つけ、マコガレイは身が厚く刺身、スナガレイは薄く小型なので唐揚げ、ソウハチは一夜干し、などなど・・・、カレイの種類によって緒理法も変わります。ババガレイやアカガレイなどもいます。
キタムラサキウニ

別名ノナ。とげが長く、黒っぽい紫色をしている。中身は薄い黄色で、市場ではシロ(白)と呼ばれています。本州のムラサキウニとよく似ています。お寿司でよく使用されるのがこの種のウニです。
キュウリウオ

ワカサギを大きくした感じの魚で、不思議なことに野菜のキュウリの匂いがします。近縁のチカによく似ている魚です。主に太平洋やオホーツク沿岸に多く生息し、5月の連休ごろに大挙して川に遡上し産卵します。生干しの塩焼きが美味です。
キンキン

超高級魚です。キチジやメンメと呼ぶこともあります。料理屋さんではもちろん「時価」で、煮付けや塩焼きにされます。脂があってとてもいしい魚です。
ギンザケ

別名ギン、ギンマス。北洋産はベニザケに次ぐ高級品とされます。日本の河川には上りませんが、最近養殖もされています。
クロマグロ

別名ホンマグロ、メジ。夏に北海道沿岸まで北上し、秋から初冬にかけて南下します。道内では定置網のほかに一本釣りでも獲られます。最高級のマグロとして、ほとんどが東京の築地に送られてしまいます。
ケガニ

北海道を代表するカニです。甲殻類クリガニ科のオオクリガニが正式名。甲や足、爪に短い毛が生えているところから 「毛がに」という愛称で呼ばれています。その姿、風味とも、北海道の味覚として愛されている海産品です。寒流を好み、主に北海道から千島、ベーリング海、アラスカ沿岸あたりで よくとれます。比較的浅いところ(水深30〜50mくらい)にいて、産卵期は春と秋の2回、 漁法はカニカゴか刺し網が一般的です。雑炊・鍋物・チャーハンと、料理方法はたくさんありますが、塩ゆでをそのままいただくのが一番かもしれません。新聞紙を広げて豪快にいただきましょう。
ゴッコ

オタマジャクシを大きくしたような風貌が強烈です。頭が大きく、体がブヨブヨとしていて、腹部が膨らんでいます。腹部には吸盤があり、普段は岩にくっついています。冬が旬の魚で、メスは腹一杯に卵を持ち、雄より高価となります。ほとんどが地元で消費されており、本州ではなじみのない魚です。しょう油仕立てのゴッコ汁は道南の人には人気です。
コマイ

別名カンカイ、オオマイ。マダラやスケソウダラと同じタラ科の魚です。北海道では沿岸域に分布し、1〜3月に岸の近くで産卵します。定置網や底曳き網などで漁火され、生干しにして焼いて食べます。
サバ

定番の味噌煮や竜田揚げがおいしいです。サバは小型でも針にかかったら全速力で走ります。引きが強くておもしろい釣りです。
スケトウダラ

北海道沿岸、オホーツク海やベーリング海などに広く分布しています。底曳き網、刺し網、延縄などで漁獲されます。マイワシと並ぶ多獲性魚類で、卵はタラコ、肉はすり身・かまぼこの原料となります。
ズワイガニ

ずわいがにはワタリガニ科に属します。北海道では毛ガニの人気に押されていますが、本州の日本海側ではカニの代表格です。オスは北陸地方で「エチゼン(越前)ガニ」、山陰地方では「マツバ(松葉)ガニ」と呼ばれています。身がやわらかく、甘みも強いカニです。同じ科に最近脚光を浴びているベニズワイガニがいますが、味はやや落ちます。
セコガニ

別名・「コッペ」「セイコガニ」とも呼ばれます。ズワイガニのメスの事をこう呼びます。大きさはオスの二分の一程度しかありませんが、お腹には内子・外子と呼ばれる卵(この卵は高級珍味とされており、よく料亭などでも使われます)を抱えております。また、鍋や味噌汁の具材としてもよく使われております。身の味も楽しめるし、ダシもよく取れたりと、一石二鳥な活躍をしてくれます。
ソイ

夜釣りの代表魚がソイです。ルアーやワームでも釣れますが、浮き釣りも楽しいものです。北海道沿岸で釣れるのはマゾイ(キツネメバル)、ナガラゾイ(クロゾイ)、ハチガラ(ムラゾイ)が大半です。マゾイは茶色味の強い褐色で、尾にかけて白っぽい斑点があります。ナガラゾイは別名がクロゾイというように、全体が暗い灰色をしています。ハチガラはヒレがオレンジ色だったり、腹部に黒い斑点があります。マゾイとナガラゾイは40〜50センチと大型。刺身やお吸い物が最高です。ただし、ごまをちりばめたような寄生虫が入っていることがあるので注意が必要です。
タコ

船釣りなどで釣れることがあります。ものすごい吸盤の力があり、船につかないよう注意しなければなりません。北海道沿岸に広く分布するミズダコと、太平洋沿岸に分布するヤナギダコがいます。漁法はいさり曳き(樽流し)漁、空釣り延縄漁、箱漁などが主です。調理法は、よく塩を擦り込み、水洗いをしてぬめりや汚れをおとした後、塩ゆでにして刺身で食べます。
タラバガニ

カニの王様が「タラバガニ」。足が3対ハサミが1対でヤドカリの仲間に属します。毛がにやずわいがにに比べると味はやや淡泊ですが、歯触りが良くて独特の甘みがあります。ボリュームたっぷりで、特に炭火で焼くとエキスが濃縮され最高の味になります。現在は入荷が少なくなってきており、相場も上昇しております。
チカ

サビキ釣りです。大きなチカはキュウリウオと区別がつかないくらい似ています。逆に、小さなチカはワカサギにそっくりです。中位ではシシャモに似ています。全て遠戚関係にあるためなのです。ワカサギは淡水だけに住みますが、キュウリ、シシャモは海で生活します。ただし、産卵期には川に遡上します。チカは終始海の中で生活し、4〜5月に砂場で産卵します。チカは新鮮なうちにフライにして食べるのが一番おいしいようです。
ツブ

ツブは比較的価格も安く、入手しやすい貝です。サザエに似ていますが、味もサザエに勝るとも劣らないものです。殻のまま焼いたツブ焼きと 刺身がおいしい食べ方。 ただし、ツブの唾液腺(通称アブラ・ホタテでいうウロ)にはテトラミンという物質が含まれており、これをたくさん食べてしまうと激しい頭痛や吐き気、船酔い感などの中毒症状になってしまいます。
トキシラズ

トキシラズとは、時期の早いシロザケの事を指します。普通の鮭は、秋に産卵のシーズンを迎え川へと帰ってくるのですが、この鮭は夏の時期に川へ戻ってくるのです。「時不知」と呼ばれる所以はそこにあります。さて、このトキシラズが何故珍重されるかというと、上で記述したように、この鮭は旬の時期がとても早いです。この時期はまだ産卵の時期ではないため、卵や白子がない変わりに、脂のりがものすごくいいのです。年間の漁獲量も少ないため、今では珍重されております。
ドンコ

正式な名前はエゾイソアイナメです。アイナメとはいいますが、分類はタラの一種です。なぜか津軽海峡の一部と太平洋側でしか釣れません。体は褐色で、下半身に比べ頭と口がとても大きく、背・腹・尾にヒレがついています。東北や道南では食べられていますが、釣り人にはあまり人気がありません。カジカと同様に、見た目はグロテスクですが、鍋物には最高との声もあります。
ニシン

北海道・東北沿岸の一部オホーツク海、北太平洋などに分布。春告魚の字のごとく、産卵のために沿岸に寄ってくる春が旬です。卵は数の子、残りは身欠ニシンなどにされます。
ハゼ

道南の漁港でよくつれますが、雑魚扱いされています。当然、専門に狙う釣り人もいませんし、魚屋さんにも売っていません。
ハッカク

その名のとおり、体の断面が8角形の魚です。背鰭と尻鰭がうちわのように大きく、道南では売ってるのを見かけません。味は美味です。
ハナサキガニ

根室半島を中心に、釧路から千島列島にかけての浅海に分布しています。もともとは根室地方のローカルな資源でしたが、観光ブームなどで注目され、今では値段も高騰しています。以前は特攻船で密漁したカニが売られいました。花咲ガニといえば、鉄砲汁が有名ですが、身にマヨネーズをつけて食べると意外とおいしいという話もあります。
ヒラメ

各地の沿岸に分布しています。底建網、釣り、延縄などで漁獲されます。資源の減少から、道南、日本海では地域ごとに組織を作り、人工の稚魚を育成し放流しています。もちろん養殖も行われています。
ベニザケ

別名をベニ、ベニマス、ヒメマス。北太平洋に広く分布して、日本の川にはほとんど上らない鮭です。淡水の湖で1年半ほど生活した後に海に出ます。ヒメマスは陸封型。北洋産は美味といわれますが高価です。また、アラスカ産などの輸入物は産卵期が近く、脂がぬけているようです。
ボタンエビ

別名オオエビ、トヤマエビ。アマエビよりも大型で、値段も高いですが味は最高です。寒海性のタラバエビ科の中で一番大きくなる種類です。体長25センチを越えることもあります。刺身が最高のぜいたくです。
ホッカイエビ

別名ホッカイシマエビ。主に道東、道北沿岸の藻場に生息します。サロマ湖と野付湾での水揚げ量が多く、大半は籠漁で獲られますが、野付湾では打瀬網漁を続けています。ほとんどが煮エビとして食べられます。
ホッコクアカエビ

別名ナンバンエビ、アマエビ、アカエビ。日本海、噴火湾、道東海域などの深海に生息しています。桁びき網でも獲られてきましたが、最近はほとんど籠漁になっています。生で刺身が一番です。
ホッケ

アメナメ科のアブラコとは近縁にあたります。そのため稚魚時代はアブラコとほとんど見分けがつきません。この稚魚は、アオボッケ(幼年期)、ロウソクボッケ(少年期)、ハルボッケ(青年期)と段階をふんで成魚になります。成魚となったホッケは釣れる場所などによって根ボッケ、中ボッケ、大ボッケと呼ばれます。アオボッケは海面に群れて餌のプランクトンを追い回しています。ロウソクボッケは一年魚のことで、この時代は海底生活に入ります。翌春には25センチ前後のハルボッケとなり、再び海面に浮上して餌をあさります。成魚はまた海底に沈み、9月〜11月の産卵期に岸寄りする。産卵を済ませたホッケは2月ごろ一時沖へ出ますが、間もなく再び岸寄りしたあと5月ごろまで沿岸にとどまっています。最も釣りやすいのがこの時期です。産卵後はオスが卵を守り、メスは旺盛な食欲を見せます。したがって、この時期に釣れるのはメスばかりです。成魚は約40センチ前後になります。オホーツク海や北太平洋で釣れるホッケは、シマボッケ(キタノホッケ)で、日本海で釣れるのより一回り大きくなります。食べ方は背開きの生干しが最も美味。つみれ汁や煮付けもおいしく、刺身は極めておいしいとの意見もありますが、寄生虫が怖い魚です。
ホッキ

ホッキ貝も年々高値になってきました。ホタテの様に管理された栽培は難しく、大量に水揚げできないのが難点。主にすしネタや刺身、バター焼きなどに利用されます。寿司屋さんでは、ボイルされた輸入物のアメリカウバガイを使用しています。ちなみに、生は足の色が紫、ボイルなど熱を加えると赤くなります。
ホタテ

栽培漁業のエースがホタテ貝です。北海道の噴火湾では養殖が盛んで、垂下(すいか)式養殖が行われています。海中に張りめぐらせたロープを大型のコンクリートブロックで固定、ホタテを吊り下げます。かつては丸籠にホタテを入れたり、ポケット式の網に差し込む方法が一般的でしたが、このごろは耳吊りと呼ばれる方法が全盛をきわめています。貝殻の端に穴をあけ、テグスなどを通して細いロープにつなぎ、干し柿のようにして海に吊します。水揚げの作業は、水平に張られた太いロープを船のクレーンで持ち上げ、次にホタテが干し柿のように吊された細いロープを船上に引き入れます。このロープをローラーで巻き込むとロープがしごかれ、貝とロープを結ぶテグスが切れて貝が下の網袋に落ちるしくみです。刺身やフライなど、用途は多いですが、大半は干し貝柱などの加工向けにされています。
マイワシ

別名をナナツボシといいます。体に7個の斑点があります。水揚げ量で多を圧倒する代表的な「イワシ」。暖流性回遊魚で日本の近海に広く分布しています。北海道では旋網、定置網、すくい網などで漁獲されます。食用以外にフィッシュミールの原料や養殖魚の餌などにされています。
マスノスケ

別名をスケといいます。キングサーモンといったほうがわかりやすいでしょう。マスノスケは日本の河川には上りません。全長が2メートル以上にもなる鮭の王様です。サーモンステーキなどの材料として珍重されていますが、量は少ないです。
マダラ

タラの釣りも豪快です。大きいものは3〜6キロクラスが釣れます。北太平洋などに広く分布し、普通は刺網、延縄などで漁獲されます。冬の寒い時期に食べるタラちりや三平汁などはたまりません。値段も比較的安く、ボリュームも満点。干しダラや塩ダラなどにも加工されます。